季節が移り変わりゆくのを数えて年を重ねてゆく、のです。

わたしのなかで「歌い手」として双璧をなす方は、Phewさんと、もひとりが二階堂和美さんなんですね。いずれも表現の方向性がまったく違うから比べるものでも並べるものでもないんですけど、「歌とはなにか」を考えるときにこのふたりが両極として最高地点にいるのです、わたしのなかで。aikoも好きだけど、aikoはポップミュージックのプロフェッショナルだと思うからまた話が違う。Phewさんとニカさんは「歌」てものに真正面から挑んで「歌」を真摯に表現して、解放してく、Phewさんは歌のもつ意味や感情を崩壊させたところで歌の持つ生命力を表現する歌い手で、ニカさんは歌の持つ意味や感情を増長させたところで歌の生命力を表現する歌い手の方だと思っているのです。
つまりね、わたしが「歌」を考えるとき、その表現に慣れないように表現を壊してまた解き放つことによって新鮮な生命力を宿すという方向性と、何度も何度も歌い込むことによって表現と自身が重なって濃厚な生命力を宿すっていう方向性があるんじゃないかと。そういう意味では、二階堂和美さんの新曲が、歌謡曲や演歌、ブルースみたいな方向に向かうとゆうのはとても必然的だなあと思いました。イルリメ氏のプロデュースはもちろんすばらしかったけど、いよいよニカさんは自分の羽で飛び立つのだなあとつくづく思った今日のライブ。ほんとすばらしかった。


1曲目「テワワナゲシ」から言葉にならない音の語(通称ホニャ語)に命を吹き込む声、というか歌は、脳天に響いてきて圧倒的だったけど、本邦初公開とゆって演奏された新曲のぜんぶがアレンジもふくめてほんとーにいまの二階堂和美って感じだったなー。「説教節」(タイトルの表記あってるか不明)はこぶし満載でまさに演歌。二階堂さんの歌声が活き活きと幸せそうに放たれていて、あの曲がいまの二階堂和美をあらわす真骨頂だと思いました。凄いっす。ほんと日本一の歌い手だと思うよ。こんなことわたしが言うのもなんですが、ほんっとーに歌がうまくなった。なんか昔っから大好きだけど、昔よりずっとずっと圧倒的な表現力。歌の強さ。声の深さ。バックの演奏陣もすごく多彩で、もちろんうまいし、スリリングで情熱的で、時に演奏に気を取られてしまう瞬間も多々あったぐらいですが、ニカさんの歌は負けじと、楽器として演奏とハーモニーをなす。そういう瞬間が震えるほどよかったです。


それと広島在住の彼女が「平和」からみのイベントに出演される際に作ったという「セミに託して」(タイトルの表記これも不明)、から弾き語りの「時が流れても」の流れがすさまじくよくて、8月6日の広島の朝と、そこから続いてく日常の意味合いその重要さをおもいました。まさに生きる奇跡と強さとやさしさとしあわせのようなものを。あと「歌はいらない」(タイトルの表記…)はニカさんの、歌に対する意思表明だと思ったし、アンコールになるのかな?の登場のしかたも感動したよ。


あー、なんかもうほんとに二階堂和美さんとゆうひとは、もっといろんなひとが見て聴いて感動してほしいなあ。いや感動してほしいまで強要はしないけど、でもなんてゆうか、古きよき日本の心が持つ歌の力を、この方は2010年に自分のやりかたで行ってる唯一のひとだと思う。唯一とゆっていいと思う。だってやろうと思ってやれることでないし。それをやろうと思って、やれる才能を持つひとはそうそういないもん。で、それはもっともっとスタンダードになってゆくべきだとわたしは思うんだけどなあ。「べき」なんて、すごい驕りですけど。わたしの。とにかくすごくいいライブでした。あー、レコーディング中の新作が楽しみだー!