5/12「IZU YOUNG FES」のこと!

さいしょ狩野川についたときは、思ってた以上の規模の小ささに「なんだかやばいとこへ来ちゃったぞ…」という気持ちが否めませんでしたが、超!超!よかった!たのしかった!イズヤングフェスティバル!=ヤング(改名前:乍東十四雄)が主催する地元・静岡は伊豆長岡での川べりの無料イベント。アットホームな雰囲気というのは得てしていいときばかりではありませんが、このフェスにおいてはかなりプラスに作用してたと思います。そもそもこのイベント、お金がぜんぜんかかっていないとのこと。まぁ場所代はおいといても、機材費は?PAさんは?出店してる焼きそば屋さんは?タイカレーは?餃子は?クレープ屋さんは??そしてこのお酒の数々は?などと疑問に思いますが、トリを務めたヤングのボーカル・高梨さんが、べろんべろんに酔っぱらって演奏中に立ったまま寝てたほどのこの人が「このフェスなんて、情熱だけですよ!!!」とか「システムなんかぶっ壊せ〜!俺らにもできるんだ〜!」みたいなことを叫んでいたのにグッときちまったよね。「そうはいってもあなた日本国憲法に守られてるでしょ」とか言いたくなっちゃう人間ですけど自分、なんか、いま、一周まわって、その情熱を信じていいんじゃないかなーって気持ちになってます。システムなんか崩壊しかけてるから、さらにぶっ壊れようとしてるから、もう自分たちで作るしかないぞって。坂口恭平さんもそうですね、新しいレイヤーで自分たちの生きる場所を生み出してる。ヤングってex乍東十四雄、ものすごくいい曲を歌うバンドで一度はこのまま売れるんじゃないかって思うとこまでいったのにくすぶってて(でも最近の曲だっていい曲だしエリザベスさんが加入してわけわかんなくかっこいいです)、そういうひとたちの地に足がついた初期衝動、だからこそ想いの強さが感じられるイベントでした。とにかくどのバンドもよかったんだよなぁ。全部が好きなバンドじゃなかったし知らないバンドもあったしPAとかいいわけじゃないし、でもどのバンドもよかった。野外マジックだけじゃない、なんか魔法がかかってたなー。


ザ・なつやすみバンド始まるときは曇っててナカガワさんも「雨が降らないうちにやります」とか言ってたのに、彼らの音と呼応するように雲がひらいて空が晴れて、なんかもうドラマチックでした。最後「お誕生日会」でかなり強い天気雨が降ってきて、めっちゃ晴れてるのに雨粒が落ちてキラキラしてて、しかもステージのこっち側とむこう側で雨の降る量がぜんぜん違って。ほんと幻想的な風景でした。天気がザ・なつやすみバンドの味方をした奇跡のようなライブ。しかしMC.sirafu兄貴が「core of bellsのときは大雨になるよ!へっへ」と軽口叩いてたんですが、ほんとcore of bellsのときだけ大したどしゃ降りで気の毒でした。シラ兄巫女説浮上です。


core of bellsの脱臼変則ハードコアめっちゃかっこいい。なにがかっこいいって思想が伴ってない感じがかっこいいです。自分たちすら自分たちをパロッてるみたいな頼もしさ。やっぱしハードコアってシリアスじゃないですか。ユーモアとか利かせるのむずいようなとこあるじゃないですか。そういう意味でスライトスラッパーズの立ち位置に近いものを感じました。CxOxBのあのロゴとかやばいよね、怒る人は怒るよね。そういうのサラッとできちゃうのがニューウェイブだと思います。しかも機材トラブルの際のMCの完成度の高さね!「これで終わりだと思ったら大間違いだ!!!」という心の声を聞きました(幻聴)


フジロッ久(仮)はひっさびさでしたが、かっこいい。高橋元希くんと藤原さんのアイコンタクトいいですね、いい顔するなぁ。なぜ元希くんは「くん」呼びでしょうか。でも「くん」呼びしたくなるピュアさがあるよな彼には。音楽への憧れと情熱と衝動をずっと抱えて信じてやまないひたむきさを、あれだけステージでまっすぐに表現できるひとはそういない。猫っかぶりゼネレーションもいいバンドでしたが、フジロッ久(仮)に加入してほんとうに楽しそうでみてて泣けてくるぜ。フジロッ久(仮)、正直外音のギター2本がまったく聞こえてなくて、音楽的なグルーヴは皆無に等しかったんですが、もはや人間的なグルーヴがそれを凌駕していた。あの状態でギターを投げ出さず、かつあれだけ会場をひっちゃかめっちゃか盛り上げて、よくぞやり切ったなぁと感動しました。「バンドをやろう」というメッセージも「パンクロックが好きだ!」というメッセージも、やっぱり普段なら失笑するタイプのねじまがった性格を持つ自分ですが、あんなライブをみてしまったら肯定せざるを得ない。彼らは311以前から反原発デモとか積極的に参加してて、藤原さんのギターには「NO NUKES」てガムテで?マジックで?とにかく不恰好にでっかく記されてて、でもバンドから放たれるメッセージが「パンクロックが好きだ!」「バンドやろうぜ!」というシンプルな衝動だということに、たまらなく胸がふるえる。音楽は手段でなくてあくまで音楽だから、音楽が好きだから、音楽をとりまく仲間が大事だから、てグルーヴがこのバンドには渦巻いてる。どのイベントで見てもしっかり客席で大盛り上がりしてるしね。リハ中にオザケンやらハイスタやら演奏してたのとか、もうドキドキしちゃったよ。今年はもっとライブ観に行こう。


それにしても、べろんべろんに酔っぱらってトイレいくのもままならず、屈強な男性に抱えられて倒れそうになりながら往復してった高梨さんが、ステージ前にいくと超元気になってシャキッと立ってなんならジャンプとかして大騒ぎしてるのがすげえなと思いました。楽しかった!