「せしぼんEP」のこと!

ギャー!せしぼんEPに驚いた!


そもそもわたしくとじゅんじゅんベイビーとの出会いは赤い疑惑のライブ。毎回、毎ッ回、ライブの最前にすんげえかわいい娘がいるな〜とストーキングしてたのが最初です。その後エイジアでの赤い疑惑に行ったときかな〜?じゅんじゅんが赤い疑惑のフライヤーを配布してたんですね。なので、おもわず「か、かわいいですよね。い、いつも赤い疑惑のライブにいますよね」ってナンパしてみた。それが交流のきっかけです。銀杏BOYZのジャケットの娘だと知ったのはまたその後のことでした。そんなじゅんじゅんがMAHOΩというバンドを始めたというのでちんぐの撮影したライブ映像をみたところ、「かわいいお人形さん」というパブリックイメージのまんまで、さすが音楽前夜社のスガナミさんは、もっとも必要な場所にもっとも必要なひとを配置するものだな〜、と思っていたのでした。しかし初めてライブをみたときは正直「?」で、まぁ当時はドラマーが違ったとか、マックスちゃんが鍵盤やってたとか、まだMAHOΩが出来上がった状態でなかったというのは大いにあると思いますが、相対性理論ライクなライブ中の朗読とかフランス語のMCとかステージの小物とかに「やりすぎ」感があったのは否めない。否めない、のだけど、今にして思えばあれがじゅんじゅんのアイデンティティであり「せしぼんEP」につながる布石だったのだと今は思う。MAHOΩはじゅんじゅん&マックスというポップアイコンをフル活用して(もっといえば島田桃子さんの振付も)、最高にポップでキャッチーな曲とともに、彼らにしかできない現在進行形のポップミュージックを確立してわたしたちを大いに楽しませてくれるはず、だった。いや、大いに楽しませてもらったんだけど、まだ足りない。せめて1stアルバムをリリースしてほしかった、解散する前に。MAHOΩの「摩・訶・不・思・議ep」こそユニオンでン十万で飾られるCDになるよ!伝説だよ!ステージで踊りながら歌うじゅんじゅんはくそかわいかった。本当にお人形さんみたいだった。わたしのじゅんじゅんへのイメージはそんな感じ。お人形さんのようなかわいい、かわいい女の子。


が、「せしぼんEP」でガラッと変わりましたね、イメージが。この女は策士や!と。いや、音源はもーどっからどう切ってもかわいいじゅんじゅん印!ウィスパーボイスとポップなメロディ、洗練されたアレンジ、絶妙な引用そして完璧な世界観。ダブルノックアウトがプロデュースしたファンシーフェイスの匂いも感じさせながらスナップショットやミネコさんカヒミさんといった脈々と継がれる「渋谷系」の系譜、さらにはピチカートファイブスパンクハッピー相対性理論、とあらゆるポップミュージックを呑み込んだ現在進行形ポップス、もう太刀打ちできないほど完璧な作品なのです。で、もって、この完璧な世界観を、ぜんぶ牛耳っているのが他でもないじゅんじゅんで、「プロデューサーはひみつ」っていってるけど、音楽的なプロデューサーを立てておきながらも、実質的なプロデューサーはじゅんじゅんそのひとに他ならないのだろう、と、想像してしまうのだ。なぜなら、じゅんじゅんのキュートさや資質、才能、はもちろんだけど、彼女の経験と知識と憧れ、が、この「せしぼんEP」の、ほつれのない音楽観/世界観を作り上げているのだと思うから。


で、もって、彼女の欲望と才能を受けて、音楽家たちは、自らの創作意欲をかきたてられて、想像以上のポテンシャルを発揮してるのではなかろうか、なーんて思う。じゅんじゅんはかわいいだけのポップアイコンなどではなく、創造の泉のタフなミューズだった。これからもひとの心を巣食ってメロメロにさせてクリエイティヴィティを引っ張り出すのであろう。お人形さんだと思ってた娘が、ついに爪を出した、そんな瞬間が垣間見れる「せしぼんEP」。彼女のソロ活動が、今後どうなっていくのか本当に楽しみです。ゆくゆくはDouble K.Oを再結成させておくれ!


つーわけで「せしぼんEP」を聴いてて思い出したミューズたちの名作をチェキラしておくぜい!



カヒミカリィ「クロコダイルの涙」
恋人でありよきパートナーであった小山田圭吾とお別れした後の最初の音源であり初のアルバム。プロデューサーにモーマス小西康晴氏など。それまでも、小山田圭吾をプロデューサーとして立てておきながら、自身のはんぱない知識や欲望がかなり幅を利かせていたと思われし彼女の作品群ですが、この作品で「お人形でいることにはもううんざり」「新しいシャツに着替えて私は私の人生を生きるの」と、プロデューサーたちに「書かせて」いるたくましさ。当時の音楽雑誌とか容赦なく小山田氏との関係性について突っ込んでて「音楽雑誌でこんな記事が成立するのか!!!」と思ったもんでした。まじでびっくりしたよな〜。



嶺川貴子「roomic cube」
ファンシーフェイスグルーヴィーネームでカヒミさんとともにdouble K.Oにプロデュースされたミューズ。レコード会社の差し金でL⇔Rに加入するなど迷走期もあった(さよならタイムズスクエア!)彼女が満を持してリリースした1st(カバーアルバムが1st?)。プロデュースはバッファロードーター。こんっなにかわゆい女の子が強面のバンドをバックにしたがえて好き勝手自由に音を出している様に、当時学生だった自分はひっくり返ったものです。しかも、マッチョすぎず、乙女すぎず、ナチュラルにポップかつストレンジな完璧なさじ加減で、女性の音楽作品を聴く際の指標になっています、私の。アティテュード的な意味で。



市井由里「JOYHOLIC」
EAST END×YURIの方が有名ですがプロデューサーがASA-CHANG朝本浩文ヒックスヴィルさらに歌詞提供に小泉今日子かせきさいだぁ菊地成孔、コーラスにハラミドリとゆー(スパンクハッピー!)豪華な布陣!「DA・YO・NE〜!」とかゆってたひとがどうした!とか思いましたが市井由里さん自身がそっちに傾倒していたそうで、当時の音楽雑誌に「スチャと一緒に小沢くんのライブに来てて、(EAST ENDは)いいの?って思った」みたいなことが書いてあって「すっげー!市井由里パンクやー!」てわくわくしたものでした。かせきさんが「由里ちゃんは舌ったらずで【な行】の発音がかわいいから【な】行を多めにした」て書いてましたね。かせき×小暮の名タッグを生んだきっかけの作品でもあります。当たり前だけどいい曲揃いなんだよな〜。



ユカリ・フレッシュ「ユカリ・フレッシュ」
スナップショット〜ユカリフレッシュの流れってあまりに情報がなさすぎて、あんなにあしげくHMV〜zest〜maximum joy(!)なんかに通っていたはずの自分でもよく知らないんですが、スナップショットがいつの間にか解散して、高崎ゆかりさんのソロユニットとしてリリースされた作品。しかし実質メンバーは同じ。ハッピーでチャーミングでフールなダンスミュージックことHCFDM(なつい!!)の代表格といっていい、「ねこにゃんじゅんじゅん」が好きなひとは絶対好きだと言える。しかしこんな単語もう誰も使わないよな〜。小西さんが好意的に使い始めた「HCFDM」が廃れて、ロッキングオンが皮肉で使い始めた「渋谷系」 がいまも根強く残ってるっていうことは、ネガティブな噂の方が強いのだという証明にも思えますね。まー当時「渋谷系」だったひとたちは、太田さん(店員)の7インチ(髪の毛付)の呪縛にいまも縛られたままなのですからね(意味不明)。

やっぱりaikoが好き!のこと!


もはやファンクラブ2馬力でも本ツアーのチケットが取れなくなってきてるaikoの、追加公演@さいたまスーパーアリーナに行った!aikoは相変わらず凄いなあんな小っちゃい体で。今回は特に光の演出が美しく、入場時お客さんにザイロバンドを配り、指令室からの発信で客席の光をコントロールするなどしてました。あと天井から降りてくる花道ステージでの光は「うおー、使徒じゃー!使徒がやってきたー!」と思うほどに頭脳を感じさせる動き。aikoのまわりでうごめく光の粒たちが幻想的でした。追加公演のときは広めの会場で、だいたい生のオーケストラをしたがえて歌っているけど、aikoの声の存在感は、オーケストラと絡むと迫力を増して、美しいストリングスの連なりに艶めかしい生命を織り重ねていきますね。聴いたことのないトーンに呑み込まれる感覚でした。アルバム「時のシルエット」のキー曲であろう「Aka」の演出、赤色が徐々に強く強くなって2番のサビ♪優しく、触った、頬に赤〜、で赤一面の光線を放つ景色に震えた。わたしたちとaikoの関係性の曲ですよね、この曲って。少なくともaikoからのお客さんに対する思い、ステージの上から見える景色の歌だと思ってます。


「目の前に広がる今だけの世界 ここはあなたとあたしの幸せの中だろう
 ぼやけた向こうに見える顔 泣いてしまうなんて勿体ない 泣いてしまうなんて勿体ない」

「目の前に広がる今だけの世界 あなたのその瞳がまさに生きている証だろう
 優しく触った頬に赤 泣いてしまうなんて勿体ない 泣いてしまうなんて勿体ない」


震災直後のツアーのラスト、aikoがどんな言葉を放ってくるかとても興味深く思っていたんですが、彼女は、日々生きていることの喜びや歌えることの幸福を噛みしめるようにつぶやきながら、「これからも皆さんと一緒に成長していきたい」って言ったんですね。つまり、一緒に生きていこう、と言ったんですね。ライブという一期一会でひとりひとりと命をからませて出会いを最大限の幸福にしようとするaikoの、アンドロメダな瞳からみえるいちばん美しい景色の歌、が「Aka」だと思うのです。正直お客さんのノリについていけないし、あのMCのときめっちゃしゃべるのとかむちゃくちゃ鬱陶しいんですけど、ほんと毎回。でも、aikoのライブには、このCDが売れないといわれる時代において、エンターテインメントがなぜ存在するかっていう原点と、エンターテインメントがどんなふうになっていくかっていう未来があるような気がします。ももクロがライブ見にきてたっていうのはすごくよくわかる。ステージに立つ側のひとはみんなみた方がいいんじゃないかって思うもの。あれだけのトップスターが、お客さんに対して、歌うということに対して、楽しませるということに対して、どう向き合っているか、という、そういうところにいつも感動してしまいます。しかし改めて「くちびる」ってすごい曲だなぁ。「くちびる」のあとに「カブトムシ」聴くと、もちろんカブトムシいい曲だし好きだけど、なんか駄菓子みたいだよねカブトムシって。「くちびる」はもう出汁の生産地までひとつひとつこだわって作った料亭の味ですわ。あの曲の研ぎ澄まし方はやばいな〜。aiko


aiko、といえば歌詞ばっか取り上げられるインタビューに本当に辟易しているんだけど、もういいかげん歌詞=aikoの現実世界という想像が貧困だなぁと思うですよ。まぁ現実世界なんだろうけど、いや、つまり、直接的に受け取って恋バナにもっていくのがもううんざり。下世話だよ。もちろん「シアワセ」が出たときはさすがにね、さすがに「男と別れたほうがいい曲ができるんじゃないのか!!!!」て思ったけどね。あれまじで滅法いい曲だもの、思わずさやかちゃんがわたしにメールしてきたもの。でもそれはモチベーションというかアティテュードの問題なわけで、「今回のアルバムでは別れの曲が多いけど、aikoどうしたんだ…」という邪推は無粋だと思うわけですよ。「Akaと自転車に“あなたがあたしのことをどう思っているのか”て歌詞が出てきますね」っていう質問も安すぎると思うんだよなあ。aikoの凄さってそんな質問じゃ引き出せないと思うんだけどな〜。ナタリーさんのインタビューおもしろかったけど今一歩踏み込んでほしかった!まー、現場では踏み込んでても事務所の意向で掲載できないのかもしれませんが。


歌詞ひとつをあげるにしても、やっぱ「シーソーの海」とか「こんぺいとう」とか「夏にマフラー」とか、感受性の鋭さというか発想の豊かさというか、描写へのスタートラインと着地点がトンでもねえなと思うんですけど、「シーソーの海」は言葉のキャッチボールがシーソーで、ベッドでまどろみながらシーソーを続けるさまを海の波として表現している、寝る直前の宇宙の歌だし、「こんぺいとう」は癇癪持ちのaikoが、嫌なことがあると腕を噛んでしまうという癖あって、その歯型をこんぺいとうになぞらえてる表現だし、「夏にマフラー」に至っては「どこにいても誰といてもあなたの皮膚のあたたかさを知ってる」という、皮膚をマフラーとしてキャッチーに仕上げたメンヘラ一歩手前の曲ですよ。すごくないですか。そのアウトプットのポップネスがaikoの真骨頂だと思います。メンヘラぶりをキャッチーさで覆いかえすという。これができないと西野カナてかcoccoになっちゃうんですよねきっと。メンヘラどまんなかにね。これ怒られそうだな。でも続けちゃう。あと「恋のスーパーボール」の

あなたの指先が初めて耳をかすめた
あたしの体の真ん中 自分じゃないみたい


なんて、かんっぜんにセックスだろう!かんっっぜんにセックスの描写だろう!!て思いそうだし実際そうだとしてもむちゃくちゃ巧い。「セックス」て書く100万倍ぐらいエロい。でも「体の真ん中」っていう表現はaiko独特のaiko語で、インディーズ時代に出していた作品にも出てきてる。

想ってた真ん中痛い程
「ハチミツ」


つまり心の中心というか、気持ちの中枢という意味合いかと思われる。こういうaiko語もめちゃくちゃ多くて、大ヒットソング「ボーイフレンド」でいう

哀れな昨日おだやかな今 地球儀は今日も回るけれど


の、「地球儀」という表現は

地球儀の鍵はあたしが握る少し位なら抵抗してもいいよ
「猫」


として登場する。「地球」と同義語ですよね。あとは

羽が生えたことも 深爪した事も
シルバーリングが黒くなった事 帰ってきたら話すね
「キラキラ」




きっと飛べると思うんだ はねたうしろ髪が羽だから
「ジェット」


からきてる。aikoの「羽」はハネた髪の毛であるのだ。あとは、前も書いたけど

冬の寒さに桃色の汗を
「桃色」

桃色の汗は夏の匂い
恋のスーパーボール


「桃色の汗」はセックスの描写、だといわれていますな。


aikoの歌詞で、好きなのはほんっとにたくさんあるんですが、「こーれーは凄いな」とリリース時に唸ってしまったのは「横顔」。かなり直接的な恋の歌なんですが、恋に、落ちる瞬間の心の描写が巧みすぎて震えました。

眠っていた心の中に 些細な些細な小さな傷 いつの間に
その隙間から溢れてくるのは
あなたの名 優しく強い目 指 髪すべてに気付かされる


すっごくないですか!?!?いやー、いつみてもいま見ても震えるわあ。恋の予感を「心に生まれた傷」として表現して、その傷から溢れようとしているもの、それはあなたの欠片すべてだった、というのに気づく、という表現。傷の向こうからキラキラした光が漏れるさまがみえますよね。恋なんかまったくしてない時期に聴いたけど、この曲を聴くといつでも恋に落ちる感覚というのが蘇ってきます。というか誰にでもあるそういった感覚を、ここまでみずみずしく描けるというのがさすが。これを聴いて単純に「aiko恋をしてるのね〜」て邪推するのもまぁ自由ですが、でもこの技法の素晴らしさだよね、やっぱり取りざたされるべきは。この3行におけるロマンチックでドラマチックな世界の開かれ方には思わず興奮してしまいます。さらにはサビで、

起こされた想いは止まらないから躓いても
胸は風を切って 横顔に恋をした


と続くわけですね。恋に落ちたことを「心が起こされた」と表現するわけですね。眠っていた心の中にできた傷によって、想いが起こされた、と。うおー、興奮するぜ!いや、すごいと思うんだけどなー!で、なぜ「横顔に恋をした」のか、は、2番で明確になります。aikoの歌詞世界において「横顔」という言葉は、例えば

ページ開いたらあの頃の街 時間 横顔 全て蘇った
「クローゼット」

優しく微笑むあなたの横顔を あの頃からきっと好きになっていた
「ずっと近くに」

横顔に只 見とれたよ
「洗面所」

あなたの横顔今日は4回見れた
「リップ」

季節がくれたいくつものあなたの横顔はあたしが隣にいられた証
「秘密」

など、よく使われる表現ですが、この曲においての「横顔」のフレーズの入れ込み方は秀逸。

電話が鳴る度に横顔が浮かぶのは
やっぱり少し切ない
あなたをいつも愛しい


とな。「些細な傷」が恋に生まれ変わった心の動きを、欠片の残像で表現するわけです。「電話が鳴る度に横顔が浮かぶ」と。そこに至るまでの温度の上げ方もうますぎる。温度、が、あるんだよな〜。aikoの歌詞には。そこはやはり描写の巧みさだと思いますが。で、それがaikoの共感の元になってるのだと思います。鋭い観察眼で巧みな描写をするうえ、豊かな感受性で宇宙的な発想をかましてくる、かつ恋愛ジャンキーなメンヘラメンタルと、それらをポップネスでアウトプットする動物的な勘の良さ、それが、aikoです!(aikoの声で!)


温度を感じさせるaikoの歌詞、という意味で好きなのは「深海冷蔵庫」。失恋で落ち込んで茫然自失している際の、時間の経過を1曲であらわしているのだけど、その描写があまりに巧い。

海の底を泳いで光を遮りたい 蒼いかも解らない程下のまた下で
あなたの優しい所 温度と共に蘇る
冷たい床と暖かい冷蔵庫にもたれて眠る

冷蔵庫にもたれながら、「深海」という暗い、圧のかかる、息のできない苦しさ、に、自分の心をうつしているんですが、2番のサビで

雨の音でやっと気付いた こんなに時間が経っていた
熱い両手のぼせた首が教えてくれた事


と、いまだ冷蔵庫にもたれたままの<自分>を描写する。その、「熱い両手」「のぼせた首」という、温度によって、時間の経過をあらわすという手さばきに震えました。そして怒涛の想い出走馬灯になだれ込む。

日曜日も☆のリングも22日も青い空も長袖も家の鍵も笑った目も夢のダンスも
あなたの優しい所 温度と共に蘇る


「22日」はaikoの誕生日だし「夢のダンス」はaikoの曲だし、例えば「家の鍵」は「恋の涙」を、「長袖」は「白い服黒い服」を、「笑った目」は「Smooch!」を、思い起こしたりさせる、このファンをニヤリとさせる遊び心もさすがなのです。


あー、aikoのこと語ってると留まるところを知らないね!でもまだまだ言い足りない!歌詞のことは、こうやって分析していくのももっとやりたいし、言葉を音として解体していくやつも今度やってみたい!です!!


ひとまず「4月の雨」はやく聴きたいヨ〜

近況報告的なやつ!

残業なんて仕事できないひとがやるやつだとずっと信じてましたがひとりで抱えきれない量の仕事ってあるんだなーと実感しています!クライアントも特殊なうえに制作会社が組織替えでいきなり担当者変わった挙句、心を病んで営業が脱落してしまうという、もう呪われた案件をひとりでやってんだよー!これ以外にも仕事たくさんあるんだよー!ょー!ょー!ょー!(ディレイ!)


というわけでマーくんことマーライオンくんからアルバムのコメントくださいのメールが来てたの断っちゃいましたね。だってきちんと、じっくり聴いて集中して書くっていう時間がとれないんだもの。マーくんごめんね。自信作だそうです。20歳の自信作!素直さとずうずうしさと迷いと若気を至れり尽くして出来上がった興奮の1枚!きっと今回のような作品を、彼が出すのはもしかしたら今回が最後なのかもしれないですよね。聴いてないけど。若いころは若いといわれることが嫌で嫌でしょうがなかったけど、確かに若さでしか表現できないまぶしさというのがある。マーライオンくんの2ndアルバムは、そんなまぶしさに満ち満ちているのでしょう。聴いてないけど。



若さ、という意味で言うと、五反田団といわきから来た高校生、がとてもよかったです。美しさに満ち満ちていました。なにしろ高校生たちが、いつもの教室の様子と変わらないんだろうな然としたやかましさでずぅっとしゃべっている。ずぅっとかさねてつながっていくおしゃべりの美しさと儚さを前田司郎さんは巧みに演出していたなぁ。最後に礼をした途端、高校生たちの顔がスッと普段着になったのすごいグッときてしまった。演じている顔から、所在なさげないわきの高校生の顔になっていた。あの瞬間に、時間が動き出したような不思議な感覚を覚えました。つまり、おしゃべりが終わる日のことを思い知るような。このシリーズは毎回みていきたい!




もうひとつ、若さでいうと、さくら学院のライブハウス公演がほんとうにすばらしかったー!!メンバーたちが出てくるだけであんなにも胸がいっぱいで泣きそうになっちゃうとは!さくら学院はほんとライブ少なくて、リリースタイミングと卒業式のタイミング、ぐらいですよね。もちろん接触なし。だからこそ、神々しいし、会ったときの感激がひとしお。「わっ、生きてるんだ!」みたいな、もう、そこで、息をして動いてるだけで夢のような気持ちになってしまいます。イベントのときのCD販売特典にしても、クリアファイルとかパネルの抽選とかなのに、にも関わらず長蛇の列になってるのほんとすごい。とにかくかっこいいんだよな、曲がいいのは言わずもがな、振付がアミューズの先輩のパフュームと同じみっこ先生が担当しているため、フォーメーションむちゃくちゃかっこいい。しかもみんなうまい。特に日向ちゃんのダンスがカッコいいです。あとゆいちゃんの圧倒的なセルロイド感ね。最愛ちゃんや華ちゃん、りのんちゃんやさきちゃんには血が通っている感じがあるけど、ゆいちゃんにだけは血のにおいがしない。本当にお人形さんみたい。「FRIENDS」のPVで「修学旅行にいきまーす!」と言われてからの耳に手をあてて「きゃー!」て言ってるゆいちゃんのかわいさたるや!まじかわいすぎて死ねる。でもこの日のライブのハイライトは、「夢に向かって」で寧々どんが「中等部2年の杉崎寧々です!」てモニターに乗っかって「私たちはこれから卒業まで突っ走っていきます!!」て叫んだところ。「まだまだこんなもんじゃないでしょー!!!」というシャウトに、思わず涙腺がゆるんでしまった。彼女たちは中学生を終えるとさくら学院を卒業する、「成長期限定ユニット」を謳っているわけで、つまり、彼女たちは、あらかじめ終わりを見据えた儚さと覚悟を纏ってステージに立っているのだ。散るからこそ美しい、花のいのちの輝きを自らの人生かけて放とうとしているのだ。そりゃー神々しいわけですよ。人間のいっちばん無垢で清らかで綺麗なときを犠牲にしているわけですから。世界なんか彼女たちが簡単に変えちゃうよってなモンだ!わたしは31日はエビ中なので29日がラスト2012年度さ学!楽しみです〜。


ひみつ [KCZK-005]

ひみつ [KCZK-005]


スカートの新作「ひみつ」を毎日聴いています。「ひみつ」の「ひみつ」という曲が本当に大好きで、あの歌を毎晩寝る前に聴いて寝るのです。「ひみつ」を聴いて、たったひとりぼっちで夜の底のまっくらやみに落ちて猛々しいやるせない感情をそっと愛しにいくのです。いけるような、歌なのです。「ひみつ」。正直なことをいうと、録音に関してとか、ボーカルの発音に関してとか、いろいろ思うところもあるにはあるのですが、やっぱりどれもいい曲いい作品。「おばけのピアノ」というスローナンバーから始まって作品中、ずっと佐藤優介氏の心躍る鍵盤が鳴り響いているのに超絶痺れる!願わくば、はやくメジャーの会社が澤部くんのことを見つけて素敵なスタジオで録音してほしいしアイドルとかに曲を書かせてほしいしさっさとチャート上位をふるわせる存在になってほしいです澤部くんには。




ハローのひな祭りフェスことひなフェスに行った!妹が「運動会とかするからライブとかしないよ」ってゆーのでビクビクしていたけど、ふつーに対バン形式ライブでした。対バン形式だったからみんな気合い入ってるしヒット曲ぶっ放してくるし、かなりよかった。何より本日初お披露目のjuice=juiceこと研修生による新ユニットのカリンちゃんの緊張した顔が見れてよかったです!でもいい表情してたなー。だーいしなんてぜんぜん表情つくれないもんね。そういうとこがかわいいんだけど!しかしああやってヒットナンバー目白押しの対バン形式を見ていると、つんくBOYの才能に打ち震えますね。ベリキューの曲たちのバラエティの豊かさ!ぜひとも枯れないでどんどん佳曲を生み出してってほしいです。つんくBOYが歌謡曲マニアなとこ好きです。とはいえ、圧倒的にモーニング娘。が凄かったな〜。なんか、人数的なものもあると思いますが、テンション?エナジー?なんか圧倒的な凄さがあった。れーな卒業目前でみんな仲良しだし、精神的にも技術的にもむちゃくちゃいい状態になってるんですね。住所不定無職のユリナ嬢がミチシゲイレブン何回も行くってゆってたけど、ほんと何回も見に行った方がいいなこれ。2回じゃ足りないよなー。



ブレストかっけー


といいつつも、スマイレージも超いい状態ですよね。あまり仲良しじゃなかったと思われしだーわとにょんさまが仲良しになって、ふたりとも一時期はブログ読むだけでも明らかに病んでることがわかるぐらい心配な状態だったけど、なんだかギア入れ直した感ある。にょんさまなんか憑き物が落ちたみたいに晴れやかな顔つきになって、最盛期を超える美しさといっても過言でない。この日も「スマイレージは底辺なんて言われてるけど、見返しちゃいます!!」って発言してて、そんなことアイドル自身に言わせちゃダメだろーとか思いつつも、そういう発言ができるほど吹っ切れたんだなって思ったりして、とてもたのもしく思えましたね。昨年のツアーのパフォーマンスもむっちゃくちゃよかったし、新曲もよさそうだし、スマイレージも見るなら今だ!



ところでスマイレージのお絵かき会、「ランダムなので誰に当たるかわからない」「メンバーは集中して描くので最初の自己紹介以外は会話してはいけない」「持ち時間が1分なので1分経ったら途中でも終了」という過酷な条件を見るにつけ「ハロプロなんぞwwwwwww」と笑い飛ばしてたんですが、二次募集が始まったいま、猛烈に「応募したほうがいいじゃないのか…???」という気持ちになってきています*1。なにこれ。てかピーベリーのチェキ会こってり応募し忘れちゃったの超ショックだよーーーーーー!!!



ceroとザ・なつやすみバンドとフジロッ久(仮)を歌いにカラオケいきたいでース。DAMには誰か潜入者がいると睨んでる!次に入るのはシャムキャッツだとおも!

*1:※あっという間に売り切れてた

cero「MY LOST CITY」ツアーファイナル@クアトロのこと!

クライアントが無茶言うのでもう無理ゲーと思って金曜日の終電で家についてしばし体育座りでぶるぶる震えていました。月曜日なんて一生こなければいいのにという気持ちを引きずって後ろ暗いウイークエンドを過ごしたのですが、ceroの「MY LOST CITY」ツアーファイナル見たら、そんな気持ち吹っ飛んじゃったよね。とにかく圧倒的なものにぶっ飛ばされた感じ。こんな凄いものが生きてて観れるのであれば、もっとずっと胸を張ってしっかり生きてゆきたいと思った。ceroに恥じない自分でありたい、と。何を言っているのでしょうか。でも本当にそう思ってしまったのだ。


クアトロに着いたらすでに2曲目がスタートしてて超満員。超満員のクアトロのホスピタリティの壊滅具合はみなさん知るところだと思いますが(柱を切り落とせ!)、とにかく身動きできない暑い何も見えないそんな状態でも、ceroの音楽は、鳴る一瞬の生命を大いにまっとうするために鳴っていた。その熱情が五臓六腑に響いてきた。表題曲「MY LOST CITY」以降の流れは本当に圧巻としか言えない。毛穴から出まくってた汗がぜんぶ引っ込んで鳥肌立って寒いぐらい震えましたです。続く「Contemporary Tokyo Cruise」は、今作でいちばん好きな曲だしこのライブでもベストアクトだったと思う。「行かないで光よ 私たちはここにいます/巻き戻しして」というリフレインを経ての♪Wilder than southern Island,city lights,city nights〜の逆再生。ここでいう「光」は「生活」で、わたしたちは逆再生(巻き戻し)のなかでファンタジーの終わりを悟る。つまり、「行かないで光よ」と呼びかけ、生活へ戻る覚悟を決めた終わりの合図が、♪Wilder than southern Island,city lights,city nights〜の逆再生なんだと。私くしのむちゃくちゃ飛躍した妄想です。いまひとつ他人に言うのが恥ずかしい妄想っぷりなので誰にも言ったことがなかったけど、初めて書いてみたのは、そのあとのMCで高城さんが「年明け早々にいろんな土地でいろんなひとと触れ合う機会が持てて本当によかった」と言ったあと「ここから皆さんと一緒に作っていきたい」みたいなことを言ったんですよね。「一緒に作っていきたい」みたいなことを。この言葉に、「Contemporary Tokyo Cruise」という歌の大事なものが詰まっているような気がして、ちょっと泣いた。つまり、現実に戻った世界でどう生きるか。漱石は船を飛び降りて、「自分はどこへ行くんだか判らない船でも、やっぱり乗っている方がよかったと始めて悟りながら、しかもその悟りを利用する事ができずに、無限の後悔と恐怖とを抱いて黒い波の方へ静かに落ちて行った」と絶望を表現したけれど、私たちは、少なくとも私は、船に乗りまだ続けていくのだ。生活を。この曲を、あの瞬間を、超満員のクアトロのあの光のなかで体験できた、それだけでも本当にこのライブに行ってよかったと思う。


はねている はねている リズムだけが
こえていく こえていく この街すら


楽しみにしてる きみのうたを ものみなこぞりて


「さん!」

「Contemporary Tokyo Cruise」のあとに「さん!」が演奏されるというのが、これも単なるわたしの妄想にすぎない希望です。3/11を経て、わたしはどうやって生きていくのか。の、前にお恥ずかしながら仕事に忙殺されて毎日胃が痛いし逃げたいし本気で怖いけど(クライアント無茶すぎて納品できねえ!)、でもそんな毎日に音楽が鳴り続けるささやかな幸福、を、愛して生きてゆきたいです。生活を豊かにするというのはそんなつらなりなのかもしれないなとか思ってみたり。


あとあと個人的にはクールながら静かに熱を帯びる橋本さんのギターがたまらなく好きなのと、体調不良で体ボロボロなのに体中から咆哮するように歌うMC.sirafuさんの姿に感動しました。はやくまたceroのライブ体験したい〜

あけましておめでとうございました(非タイムリー)

ちょっともう忙しすぎてどうしていいかわからないのでブログを書くことにしました。いまは会社です。3月ぐらいまでのスケジュールをまとめてみて途方に暮れています。こんなことしてる場合じゃないのはわかってるけどこんなことでもしないとやってられねえ!やばい!こわい!おれはかーちゃんの奴隷じゃないっつーの!


しかし、今年はみたもの聴いたものちゃんとブログに書いていきたいなーって思ってるんだけどそもそも年末のロロも書いてねえずら。五反田団ハロ紺かまってちゃんayUtokiOフジ久GORO GOLO住所不定無職ミツバチのささやき鉄割マームとジプシー、年明けてから見たものです。一気に書いてみようそうしよう。


五反田団
昨年も見に行った工場見学。豪華メンバーが出演する出血大サービス企画でして、適度な内輪感とそれだけに終わらない作品の…狐につままれた感(笑) ハイバイのダークサイドを暴いていくやつめちゃくちゃおもしろかった。そう考えるとダークサイドも愛おしく思えます。


ハロ紺
小田さくらちゃん加入後のモーニング娘。お披露目!小田ちゃん歌うっまいけど声量とかあんまなさそうだし激しい歌は歌えないんじゃないかって思ってたけど、予想をはるかに超えて歌って踊れてた!よかった!小田さく推せる!自信なさそうなナリしてるのにめっちゃ自信家なとこ好きです。あと宮本かりんちゃんさんのターンがめっちゃ好きなんですわ。首を残したターンしますですよね。クラシックバレエでもやってたのかな。あと隣の男子2人組がりしゃこが歌うとウケてて気持ちはわかるがひどいと思いました。


かまってちゃん
素晴らしいライブでした。今ツアーはどの会場のライブも絶好調だったらしく、こりゃ名古屋ファイナル楽しみや!!と思ってたのに大雪で会場にたどり着けずでした。ほんと、波があるけどかまってちゃんの絶頂期のライブってめちゃくちゃすごいんだよ。ちんぐさんもツイートしていたけど、鉄板の「夜空の虫とどこまでも」「黒いたまご」の流れは圧巻だし、そっから続く「聖マリア記念病院」「ロボットノ夜」という打ち込み作の演奏は鳥肌立つほどかっこよかった!


ayUtokiOフジロッ久(仮)GORO GOLO
ayU tokiOの日本語詞新曲「恋する団地」に感激した!今のパーフリ1st〜アノラックな曲もとてもよいんだけど、日本語詞になるとさらに世界の強度が上がる気がします。ストリングスの効果もよかったし、はやくまたライブみたい。


あとフジ久の新曲「シュプレヒコール」これがほんっとーに素晴らしくって!これ、以前も引用していますが

かれにゆるされる選択は抵抗するか、しないかではなく、希望をもつか、もたないかであるだろう。希望をもつ者は亡命するか、ひそかに抵抗するか、あるいは沈黙して待つ。希望は戦術である。
希望をもたない者には戦術をえらぶ自由はない。
高橋悠治小林秀雄「モオツァルト」読書ノート】


ここでいう「希望」をフジ久は歌っていたのですね。誰かと会ったり、ご飯を食べたり、愛し合ったり、わたしたちが豊かに生活をしていくこと、を「シュプレヒコール」として彼らは鳴らしていた。曲中の高橋元希くんの叫びにちょっと泣いた。フジロッ久(仮)のパブリックイメージを更新するすごくいい曲でした。思わずライブ後に藤原さんに声かけちゃったもんね!!!あー、はやくまた聴きたいよ「シュプレヒコール」。


GORO GOLOは「ラグタイムでいちばん速い音」と言ってセンスと実力に裏打ちされた大人の色気を振りまいてました。ほんっとぶっ飛ぶほどかっこいいからみんな絶対に好きになるからはやく見てほしいな〜。GORO GOLOはあんまり聴く人を選ばすみんなぶっ飛ぶと思うんですよね。超絶かっこいくてハッピーで笑えるから。かっこよすぎて笑えるんですよ。スガナミさんは全力で音に身をうずめて全身で音を表現できる稀有なフロントマンだと思います。




住所不定無職
℃-want youちゃんの初披露!しおんちゅめっちゃ小さくて145cmしかないらしいんだけど、手がちいせーの。あれでピアノもギターも弾いちゃうんだからかわいいだけじゃないぜ。住所不定無職は新曲何曲か披露してましたが、もともと「ジャカジャーンがやりたかった」という彼女たちの地平はもはやそんなとこにはないというか、aiko meets 住所みたいな正統ポップスをみせつけてきた。このメンバー補強でいよいよ本気でJ-POPに殴り込みかけてくのだ彼女らは。と思いましたね。そうそう「今年からコールアンドレスポンスやるから〜!!」て始めて、みんなの声が小さいから「まだまだ聞こえないんですけど〜!!」て煽るユリナちゃんのドラムがどんどん崩れてきてて笑ってたら「てかドラムがやべーんですけど!!」とか叫んでてめちゃくちゃ笑いました。あとMCのさいちゅうユリナちゃんがヨーコちゃんに「え、くそバカじゃん。大丈夫?」とか突っ込んでてめちゃくちゃ笑いました。


ミツバチのささやき
いちばん好きな映画でやるたびにみてるやつ。好きなシーンはふたつあってアナが井戸の周りで奇行を働いてるとこと犯罪者との接触がばれたあとの団らんで緊迫のなかイザベルがガチでむせるとこ。


鉄割アルバトロスケット
すごく久しぶりにみたんですが冒頭のみさをさんの「自分の踊りを踊ればいいんだよ!!!!自分の踊りを踊ればいいんだよ!!!!自分の踊りを踊ればいいんだよ!!!!自分の踊りを踊ればいいんだよ!!!!自分の踊りを踊ればいいんだよ!!!!そうだよね!!!!アケミちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!」ではやくも涙腺がゆるみましたですわ。鉄割は演目内で「生きてるって恥ずかしい」て言ってて、その「生きてる恥ずかしさ」を可笑しさに変換して肯定しているようなところが大好きです。人間の、ずるくて大馬鹿で情けなくて恥ずかしい性を、戌井さんは愛しているのだろうなって思います。


マームとジプシー
カメラアイのレイヤーを入れた演出の必然性がわかりませんでした。最初は電車をうつしていたから「これがわたしたちの住む街の俯瞰になるのか」とちょっと感激したんですが、そういうわけでもなかった。同時多発にさまざま勝手な感情ともつれる関係性がゆらめくわたしたちの街の、同時多発を可視化していた、のかなぁ?とにかく絵での説明が増えてて、そこは想像したかったなぁ。日本地図とか。棒をバットにしてしまう、演劇という表現においては。あと途中で入ってきたひとがうしろに座ったんだけど、ガンガン椅子蹴っ飛ばしてきて集中できなかったというのは大いに鑑賞に影響しているといえる。



以上でーす。毒にも薬にもならない文章すみません。仕事します。

私立恵比寿中学年忘れ大学芸会「エビ中のジャングル大冒険」のこと!


いっやーーーーーーーほんっっっとによかった!!!エビ中中野サンプラザ!!!これで、ようやく、心の底からわたしは「絶盤ベスト」に向き合えるって思ったな。つまり、れいにゃんのいない、いまのエビ中にちゃんと向き合えるって。おせーよ!ってね、思うけどね、1年かけてようやく、追いついてよかった、自分が、エビ中に。


サンプラザについてまずは物販。写真とハートのサイリウム買う!ボタンを押すと緑から赤、青、鮮やかに色を変えていく。ハートのサイリウム、むかーし売ってたのすごいほしかったのでうれしい(10,000円ボックスのハートのデザインはまあまあだったので購入していません)。


中に入るとBGMは「冬がはじまるよ」。談笑しながら過ごしてると「冬がはじまるよ」がリピートされる。てかリピートされてんのも気づかないぐらい談笑してたけど、歌がブレすぎてて気持ち悪くて気づいたわ、歌ってるの校長じゃないですか!!!(笑)どんな小細工(笑) しかも次にGLAYがきたので「まじかこれも校長verありかw」と思ってワクテカしてたら17時30分と相成りました。


「スターダストの、スターダストの、スターダストのエビ中です♪」が鳴るといつもはツーステップ踏みながら飛び出してくるメンバーが出てこない。なんなら「スターダストの」のとこも歌ってない。と、思うや否やステージ上階段になってる部分が光り出して、檀上にメンバーがタオルを持って登場。「揚げろ!エビフライ」だ!まったく予想外!!(いつも妹と1曲目当てゲームやってますが、わたしは「スターダストライト」か「大人はわかってくれない」、妹は「仮契約のシンデレラ」か「ほぼブラジル」と予想w) てかタオルを振り回した状態で階段を下りてくるメンバー、りななんがみんなに遅れて足元気を付けながらこわごわ降りてきたのくっそかわいかった。「エビフラ〜イ」では相変わらずあっちゃこっちゃタオル飛ばしちゃうメンバーたち。ここは全員チェックできないので推しメン凝視をおすすめですね。後ろの方に飛ばしすぎて、お客さんに背を向けてわたわたしてるぁぃぁぃかわいかったです^^


隣の人がまわすタオルの風圧を感じていると、階段スクリーンにぷよぷよみたいな水玉がぶわーっとあらわれて「エビ中一週間」。とにかくみんなほんっと楽しそう!安本さんの笑顔が、もう喜びあふれる笑顔がほんとによかったなぁ。笑顔もいいけど、歌詞に合わせてみんな表情を自然につくっててほんとかわいい。♪鬼プロデューサなんかにゃ負けないよーーー!てぁぃぁぃフェイクいれて、♪ふ〜つうの女の〜このよに、のハンドクラップはみんな胸の高さでやってるのに真山さんと美怜ちゃんは頭の上で大きく拍手してるのも、らしくってよかった。


間髪入れず3曲目、階段スクリーンに星が光とともに流れてきて「スターダストライト」。会場中にも光が舞っている。瑞季ちゃんのダンスは本当にかたちがしっかり決まって体もなめらかで美しいなあ。しかし裕乃さんのダンスも心なしかいつもと違ってみえる。意識してキレを出しているような手の動きだし、腰もしっかり入っている。さすがに、みんな気合いが入っているのなぁ。気合い入りすぎて真山さんハイタッチ失敗してたけど(笑)


「朝のチャイムが鳴りました!わたしたち〜」「私立恵比寿中学です!!」の挨拶ひとつひとつ、すべてに気合いがみなぎってる。「わたしたちの目標のひとつであった中野サンプラザでのライブが始まりましたよー」というMCがあり、いつもの自己紹介。いつもの自己紹介ながら「トップバッターで緊張しちゃうんですけど…」と、緊張で息が上がった状態のまま自己紹介を終えたなっちゃん。そのステージに立つ、彼女たちのプレッシャーを感じずにはいられない。それでも笑顔で「歴史に、伝説に残る12月15日にしたいです!」と言いりななんへバトンを渡す。わたしまーつの、をみんなでやったりななんは「中野サンプラザ、精一杯がんばります!」とひなたへバトンタッチ。ひなたの自己紹介、「おーもち、もち、もち柏木ひなた」のあとの「ハイッ!」はひな推しのお客さんが始めたことだったと思うけど(最初はひとりだった!)、なんとステージ上左側、真山さんから彩ちゃんぐらいまでみんなが「ハイッ!」に合わせてジャンプしてた(美怜ちゃん未確認)。いくらでも受け入れていくエビ中ちゃんたち(笑)。


そしてラリーのあと「大きい会場も頑張りたいと思います」と言った裕乃ちゃん、「2階のほうもちゃんと見えてますよーー!!」といい自己紹介した美怜ちゃん、気合いの入ったバージョンの「あやかのあー」をやった安本さんの自己紹介は、安本さんに「“あーーー”てやつを一緒にやってください」て言われたのでお客さん、「あやかのあー」と「あーーー」を両方言わないといけない自体になって戸惑ってた(笑)。ぁぃぁぃは♪ひろーたあいかだよぉ〜の歌すらめちゃニュアンス出ててかっけえくなってる。しかしここはぁぃぁぃ、「青年館からどれだか成長しているか、厳しい目で皆さんにみてもらいたいです」と言い放ち、自らハードルを上げていく。もちろん楽しいなかで行うこのサンプラザ公演だけど、楽しいだけじゃない、成長していくうえできっちり評価を出していきたい。彼女の意識の高さと、このステージにかける思いをぶつけられた思いで、すこし心がひきしまる。


「とっても緊張してますが、皆さんに負けないパワーでがんばります!」と瑞季ちゃん。ラストの真山さんは「持ち物検査をします!!」と、お客さんの気合いとハイテンションを確かめた。自己紹介が終わり、りななんが「それでは思う存分曲を聴いていただきたいと思いま〜す」というと、ひなたが「ちょっと待ったぁ〜〜〜!!」と叫ぶ。「段のいちばん上に穴があいてるの!!」とみんなで段のいちばん上へ。入りたがってるぁぃぁぃに、なつが「絶対あぶないやめた方がいいと思う!」と、真山さんが「ライブ中だからダメだよ〜」と制止する中、突如「鈴木行きまーす!」と、裕乃ちゃんがジャンプして穴の中へ。つられて、次々に穴へ飛び込んでいくメンバーたち。最後に残った真山さんはお客さんに「行かないで!」「行っちゃえ!」などと煽られながら穴へジャンプ。「あぁーーーーーーーーーー」ドンッという音が響いて、暗闇のなかエビ中メンバーの会話が続く。と、パッとスクリーンが付く。なんと、エビ中ちゃんたちタイムマシン(いわゆるドラえもんの)に乗ってどっか行っちゃってる(笑)。リアルタイム中継×タイムマシン映像のかけ合わせだったんだけど、安本さんが流れてくる星をつかまえようとしててなっちゃんと「やーめーなーよー(笑)」みたいにじゃれあってるの超絶かわいかった。このふたり、声が聞こえてないと思ってずぅぅっと素でじゃれあってんだから!萌え死ぬよ!!おもむろにりななんが「そうだ、おにぎりもってきたの〜」といっておにぎりを配り出す。おにぎりをむさぼるエビ中ちゃんたち(コンサート中)。おそらく中の具が違うんでしょう。ぁぃぁぃが「いる?」てな感じでひなたに差し出して、ひなたがパクッてするの超絶!!!!だったし、逆側にいた子(誰でしたか?)に「いる?」って聞いてふるふる首振って拒絶されてるシーンも超絶!!!!でした。あとずっと運転してた真山さん?にりななんが「いる?」てめっちゃ素で言ってるのをマイクが拾ってて超絶!!!!でした(本気で食べる時間じゃないんだよりななん!!!)。


そんな自由なエビ中ちゃんたちの中継が終わると、舞台にはジャングルがあらわれターザンが登場。スクリーンも階段スクリーンもすべてジャングルが映し出され、ウッホウッホした音楽(なんかジャングルっぽい)に合わせターザンがダンス。ターザンのダンスうめえ。すると…舞台そでからピンクの探検隊衣装で出てきたエビ中ちゃんたち。「ここどこ〜?」「中野サンプラザのみんなどうしてるんだろ〜?」と、はい、つまりタイムマシンに乗って遥か大昔の、原始時代に到着しちゃったエビ中ちゃんの巻!なのです。どの質問もどの不安も裕乃ちゃんの「まぁ、なるようになるさ!」でスル〜してると上から九官鳥(キューちゃん)が登場。「君たちは誰だい?」という質問に「アイ…ドル…?あ、サブドルかな?あぁ、中学生です」と答えるメンバー。キューちゃんはここにいる野蛮な連中に気をつけろという。「ここはアイドル原始時代」だと。


「お言葉ですがわたしたちはただのアイドルではありませんよ」と安本さんが反論。すると真山さんが「なんだったらわたしたちの実力をお見せしましょうか」と続き、瑞季ちゃんが「大人にはキレのないダンスと不安定な歌唱力って言われてるけど、そんなのいつだって訂正させてみせますよっ!」と、かっこよく決まったところで「仮契約のシンデレラ」!スクリーンには大写しになったエビ中メンバーの表情が。ギャーくあああわあああいいいい。「ねえ馬子〜〜〜好きなんて言えないよ〜」で客席を指さすひなた憎い!!そしてワルツになるとこ、いっつも真山さんと裕乃ちゃんがこそこそ楽しそうなのな。ずっと見てたけどこの日もやっぱ裕乃ちゃん首が後ろにカクッとなってて「あー、まだふたりでひみつ話して笑ってるんだな」と思いました。かわいいのう。続いて「チャイム!」。ラストでスクリーンが光ってエビ中メンバーがシルエットになるの超かっこよかった。間髪入れず1月リリースの新曲「梅」。正直あんまり好きな曲じゃないかな〜。サビで転調の超展開コード進行ちょっとむずい…とか生意気なこと思ってたけど、ライブだとメンバーの顔がとっても凛としててほんっとかっこいい!特に1番サビの瑞季ちゃんを中心に美怜ぁぃぁぃのスリートップ、これはむちゃくちゃかっこいいいなああ。頬を紅潮させて凛々しくラップするりななんもエモい。大サビのブレイクのあと♪咲き誇れ〜の出足が揃わないのはご愛嬌!


ここまで踊ってキューちゃんに「ちゃんと見ててくれたあ?」と詰め寄る美怜ちゃん。「ちゃんと見てたよぉ〜なかなかやるねぇ〜」と誉めれ「うわぉいっ!」と声にならない声をあげひとり本気で喜び手を叩く美怜ちゃんかわいすぎる(美怜ちゃんそれ台本や!)。「でも、そろそろやめた方がいいね…原住民に気付かれちゃうよ…」と言われるもまだ踊る続けるエビ中ちゃんたち。「オーマイゴースト?」のフォーメーションに会場がざわつく。ほんとわたしはれいにゃん転校後のキョンシーダンス、もともとのフォーメーションは美怜ちゃんがひとりでフロントに立ってたのが瑞季ちゃんと美怜ちゃんがキョンシーダンス〜ゾンビダンスをやるようになったとこがむっちゃくちゃかっこよくて好きです。あとぁぃぁぃのゾンビはガチで怖くて好きです。赤ピンクの光で本当にゾンビ然としたエビ中メンバーこわーい!と思ってると、階段あがりすぎて一段戻る裕乃さんかわええw


しかし、ついにここで原住民に気付かれるメンバーたち!キャーキャー言いながら舞台を逃げ回る、逃げ回る、逃げ回りながら大蛇を首に巻きつけるりななん、遊園地にあるパンダさんに乗ってステージを左から右に抜けてくぁぃぁぃという謎演出を経て、また会場が暗くなる。「なつー?」「美怜?わからなーい」「あやかー?」などというメンバーの声。「あれ?はぐれちゃった」という声とともにスクリーンに洞窟が映し出される。すると階段上にプッシュアップでひなたとりななんがポンッと登場!「とりあえず歌おう!」といってトリオ・ザ・インフルエンザから派生したと思しき新曲を披露。ふたりが歌ってる間スクリーンではコウモリがバッサバッサ飛んでいくのシュールでした。に、してもこの曲、サビ部分はひなたが上でりななんが下のパートを歌ってるんだけど、息継ぎなし系高音持続メロディで、あれだけ運動量あってブレずに歌い切るひなたの実力!見事としか言いようがない。ほんと素晴らしいです。


続いてプッシュアップで登場したのはぁぃぁぃと瑞季。バラード調の切ないメロディがのるミディアムポップ(ブログみると「kindness」という曲らしい)。強めのぁぃぁぃの声と優しいトーンの瑞季ちゃんの声は、重なるとちょっとでこぼこしてたけど、リズムをズラした難しいダンスに挑戦したりしてて、ふたりのダンス、足のステップをみてるだけで大満足でした。曲が終わって「おなかすかない〜?」「おなかすいたねえ」とふたりがいうと、スクリーンにカップ麺が大アップに。「あー、おれお湯入れたらすぐ食べれるやつだよぉ〜」するとプッシュアップでやかんを持ったなつと美怜が登場。心の中で「アーノルドシュワルツェネッガーか!」とオーバー30歳にしかわからない突っ込みを入れてると宇宙語のようなラップ?のあと「♪for you」と。はい、ピンクレディ「UFO」をモチーフにしたナンバーです。ヒャダイン先生…ですよね(笑)。いやー、しかしふたりとも足が長い!超人!このスタイルいい二人組の舞ってる姿をみてるだけで幸福ってモンですわ。なっちゃんが「わたしの名前はカップ焼きそば!あなたなしじゃ生きられないの!あなたの名前は?」というと、美怜ちゃんが「♪お〜湯」と(笑)


2人が終わると、スクリーンがどんどん上へ、上へ、森を超えて、木を超えて、空を映し出す。するとブランコに乗って宙に舞う裕乃ちゃんと安本さんが登場。このふたりの曲が!!!!!もう超絶!!!!!名曲!!!!!でした!!!!!安本さんが歌めちゃくちゃ歌いのは言わずもがな、裕乃ちゃんは自分でも「ジャイアン」て言ってるけど、確かに決してうまくないんだけど、うまくはないないけど、たまらないものがあるんだよなぁ。音はゆらゆらしてるんだけど、まっすぐなんだよなぁ。往年の、というか80年代のアイドルってこんな感じで決してうまくなかったけど、味があったと思うんですよね、裕乃ちゃんはダンスもそうだけど、ただ上手だったり、リズム感がよかったり音感がよかったりするだけが魅力じゃないってことを教えてくれますね。ほんっっっとに、彼女の歌うこの曲のAメロはやばすぎる。生誕でユーミン歌ってたけど、いま呉田軽穂がアイドルに楽曲提供するというなら迷わず裕乃ちゃんを差し出すよ!裕乃ちゃんにしかあのニュアンスは出せない!彼女の歌声には太陽も月も黄昏も宿っているのだ!もちろん安本さんも、宙に浮いてる状態であれだけ感情を込めてニュアンスを歌えるのさすが。エビ中ボーカロイド返上です。ふたりの声はとてもやわらかで優しくて、スクリーンの空がどんどん夕日で赤く染まって夜が落ちていく、そのマジックアワーを美しく彩ってくれました。はー、至福。


するとソロで真山さんが登場!はっちゃき娘がジャズをスウィングしてシャウトして、真山さんは本当に女優だなぁ。どんなふうでもサマになる。マイクの持ち方、視線、間奏中にいれる溜息、舌打ち、いままで見たことない真山りかでした。歌い方ももーーーかっこよすぎて、まだまだまだまだではあるけど、真山さん、本当にジャズシンガーにだってなれちゃうんじゃないかなって思わせる、堂々とした歌いっぷりでした。


歌い終わって酔いしれてる真山さんの周りにエビ中メンバーがわらわら集まって「ねえ、気持ちよく歌ってるとこ悪いんだけど…」と瑞季ちゃん。はっ、気づけばすっかり原住民に囲まれてる!エビ中ちゃんピーンチ!しかし「でも新曲歌っちゃおうよ〜」と意に介さず、パクチーの歌。こ、れ、が、またくそかっこいいんですけどー!かっこいいんですけどー!てか中野サンプラザって音がめちゃくちゃいいの!いいっていうか、クラブ仕様というか、低音が上からズンズン内臓に降りかかってくるのね。まさに音を体中で浴びてるようなイメージ。圧もすごい。そんな音響下でパクチーの曲、4つ打ちに一小節内でセンテンス区切りまくった高速マイクリレー(と、思われる。もう見た目では判別できなかった。スクリーンのカメラも追いついてなかったし)は大音量で抜群に踊れる完全フロア仕様。ダンスフォーメーションもかっこよかった!これサンプラザで聴けてよかったなぁ〜。「どんどん歌って踊っちゃおうよ!」と、さつき が てんこもり先生の「ほぼブラジル」!ぎゃー超大好き!これもサンプラザの音響で聴けてありがてえ〜!もはやノリノリで踊り出す原住民の皆様!安本「めっちゃ楽しいね」美怜「楽しい!!」キューちゃんも「君たちには恐れ入ったよ!」と大絶賛!いえー、みんなハッピー!てか美怜さんふつーに「キャー!」みたいな感じで原始人に手ェ振ってたけど、いまコンサート中や!(原始人さんシカト)


ところが!!!!!!突然ゴゴゴゴゴゴゴという地鳴り「え、ほんっとに何?ほんっとに何?」と素でびびってるなっちゃん。に、抱きつく美怜ちゃん。2人にくっついてダンゴ状態になってるぁぃぁぃ。今度こそ本当にエビ中ちゃんピーンチ!りななんと安本さんもくっついてる。瑞季ちゃんはひなたにぐんぐん肩を寄せ付けてる。キューちゃんが「このジャングルにはもっともっと恐ろしい化物が住んでるんだった…!!」と恐れるラスボス登場。「お前らに天罰を与える」というラスボスに本気で怖がるエビ中メンバー。に、対して真山さんが「ビビってねぇ〜〜し!!」と言うと「ちょっとぉw」みたいな感じで突っ込んでる様子の裕乃ちゃん。2人余裕やな(笑)。すると「パンッ!!!!!」という発砲音。これね、文字だけで「パンッ!!!!!」みると大したことないって思うでしょうけどね、これそーーーーとーーーーな大きさですよ。運動会の鉄砲の300倍ぐらいの発砲音ですよ。耳いってえ。あんなのエビ中ちゃんたち至近距離で、でもいちばんおもしろかったのは直前まで余裕でいた裕乃ちゃんが「パンッ!!!!!」の途端あまりにビックリしてその場でくるっとターンしてちょっと冷静になって「ハハ、ないわー」みたいな顔で下向いて笑ってる姿ね(笑)。これねー、ぜひDVD化された暁にはぜひみんなにチェックしてほしいわあ。あんな機敏な裕乃ちゃんみるの初めてかもしれない(笑)。


そんななかでも「大人しくなんかしてられない!」と歌い始めるエビ中ちゃんたち。「いまので目が覚めたぞ!」と裕乃ちゃんが発言して、「ロックリー」「売れたいエモーション!」「ティッシュ」と、みんなが歌って踊れる3曲畳み掛けて会場全部のテンションをさらに&さらに上乗せお客さんのハイテンションもフルスロットルだだ漏れ状態!そして暗転。ラスボスが「石でできたわしの体が、わしの心が割れていく…」と独白。


「フレ!フレ!サイリウム」のイントロと同時に、ハートのサイリウムに点灯。冒頭お伝えした通り、このサイリウムはボタンを押すと赤から緑、青、ピンク、と鮮やかに色を変えていく。つまり、9人のサイリウムが、同じ時間、同じタイミングで、同じように色を変えて、暗闇を舞っているのだ。なんという美しい演出。ひとりできなくて泣いたこともあったろうし、くじけたこともあったろう、でも、いま、9人みんなでこのステージに立って、歌って、踊っているのだ、という奇跡を痛感せずにいられない。「夢見る少女だった頃に見た 大きなステージで踊る先輩たち(ぁぃぁぃ)」「わたしもいつかあの場所に立つと心に誓った夢のプロローグ(美怜)」という歌詞に、思わず9人の姿を重ねてしまう。美怜ちゃんなんか、ももクロ中野サンプラザでゲスト出演したとき、このステージ上で泣いちゃった女の子だよ。そんな女の子が、そんな歌詞をなぞって、いま、このステージに立って、一生懸命歌って踊っているという現実に、たまらない感情がこみあげてくる。



感動しちゃったラスボスからサイケデリックな光が射して、キューちゃんが「君たちは世界を変えちゃったんだな」という。最後にラスボスが「君たちの名前は?」と聞くと、9人みんなでその名前を放つ。「私立恵比寿中学です!!」。するとアシッドな光は徐々に白い光へと変化し、ステージが光につつまれる。光を浴びながら、出演者全員での「頑張ってる途中」。こーれーーーがーーーー!もうさぁ、アイドルのコンサートをして「多幸感」て言うと怒られるんだけどさぁ、正直こんなもん多幸感でしょ、っては思います。だってドラッギーじゃん。多幸感=興奮や薬物により、精神が一時的に昂揚し、強い幸福感を覚え、健康を感じる状態。 というのであればこの絵以外どこにあるか。毎日毎日、朝、会社の最寄駅について「はー、今日も仕事まじでやだもうやだ死にてえ」って思ってさぁ、「よし、今日死ぬ前に1曲聴こう!」つって駅から会社までの5分でアイドルソングを聴くんだよこちとらね。そんなの完全に薬物なんですよ。劇薬なんですよ。より強いドラッグを求めてコンサートに行くんですよ。例え儚くとも、夢のように甘く美しい非日常を求めて集うんですそこに、少なくともわたしは。



まぁごたくは置いといて、ほんと、目の前にある景色の幸福感は凄まじいものがありました。エビ中ちゃんたちが歌って踊ってて、原始人も一緒に踊ってて、キューちゃんも出てきてみんな出てきてお客さんが「え び ば で!!!!!」叫んで、♪頑張ってる途中〜!てね、超泣いちゃったよね。なんなんだろ、あれは。わたしはライブで心がひとつにとか鬱陶しいし、コールとかぜんぜんできないし、踊るのも手拍子するのも抵抗があってなかなかできなくて、自分がそんなだから、客に一体感を強要しないでくれー!というのはどのライブでも思うこと。でも、エビ中メンバーのエネルギーに触発されて、グルーヴに巻き込まれて、ただハッピーを体現してる目の前の景色が、喜びに満ち溢れた世界の一片が、あまりにけがれなく思えて、なんか泣いてしまった。世界を愛していいのだ、と思ってしまった。それは「世界を変えちゃったんだね」という言葉で表わされることかもしれない。所詮は茶番で陳腐だって知ってるけど、その茶番に踊らされてていいのだ、と思えた瞬間、目の前が希望でひらけていく。それをわたしは感動といいたい。それを体験するために、ライブやら演劇やら映画やら、に足を運んでいるわけであります。


わたしはこのライブに来る前に「じゃあ・ベストテン」のアンコールの「仮契約のシンデレラ」を何度も見てて、美怜ちゃんがコンサートを終わらせたくない一心でいきなり「もう1曲歌いたーーーい!!」て言い出して、周りの大人たちが巻き込まれて最後に歌った仮契約。ぁぃぁぃは側転入れるし美怜ちゃんは「だって、女の子だもん」を「だって…みんな大好き〜〜〜!!!」と叫んで、あの安本さんですら「きょうはよかった!はい、おつかれちゃーん!」からの「やった〜!」ね、あんな奇跡的な瞬間があるのか、と。あれを超えるものじゃなきゃ中野に行く意味ねえぞと。ぁぃぁぃが最初に言ったように「厳しい目で」みようとしてたわけです。だけど、「頑張ってる途中」がほんとに凄すぎて、ただただ凛々しく、美しく、しあわせを撒き散らして輝きながら舞う彼女たちの高揚感に酔いしれました。最後の「えびばで」でスクリーンに花が舞い、まさにドラッギーでサイケデリックで多幸感につつまれたまま大団円。ふわぁ凄かった。


「ジャングルに響け〜アンコール!(←修正しました!)」「アンコール!アンコール!」てなっててもしばらく呆けてたね、事の凄さに。しばらくアンコールの拍手に包まれていると、ebitureの新しいやつが流れ出す。階段上にMXフォーメーションのシルエットでエビ中が登場。スクリーンはゲタ箱になって「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」。アンコール一発目から会場フルマックス!スクリーンに「MX!」とか「トーキョー!」とかの文字が出てくるんだけど、ぁぃぁぃと安本さんのフェイク、安本さんが身体をよじらせて超長くがんばったからテロップが足りてなかった!ひなたと瑞季ちゃんのギターには「NAKANO」「SUNPLAZA」の文字が!(笑) 最後はオレンジ色の光に包まれて、メンバーがシルエットに戻って終了。すると「アッパレ!」みたいな映像とともに「えびぞりダイアモンド!」。もう2曲続けて出血大サービス!間奏のとこで真山さんと美怜ちゃんがなんか煽ってるけどテンション高すぎて言葉が聞き取れない!ラストの「わー!」で。ポンッ!とリボンが飛び出してキラキラと舞い落ちるなか、「約束」のイントロが始まる。名曲のオンパレードや〜!きょうのこのライブは、エビ中の歴史のエポックであると思うし、今日だけはほんといろいろ思い出させてくださいすみません。「約束」は小池梨緒ちゃんが転校した際、本人不在のなかセレモニーを行ったときの、梨緒ちゃん宛ての手紙を泣きながら読んで、泣きながら歌った、りななんの曲なんです、わたしのなかでは。というか、あのときほっぺを真っ赤にしてぐっしゃぐしゃに泣いていた女の子が、こんなに大きなステージで、堂々と、笑顔で、歌って踊ってる。りななんは決してダンスうまくないけどすごくすごく一生懸命に大きく舞っていて、歌もうまくないけど一生懸命に感情を理解しながら歌ってて、その一連の運動があまりにエモーショナルで、そのとき初めて美しい白い肌と長い手足に血液が流れ出すような、お人形さんが自ら生きる意思を掴んだような、そんな強度を感じてしまうのです。りななん、エモい!


歌い終え、「みんなで力を合わせてここまでこれました」と瑞季ちゃんが口を開く。「この状況のことを普通に思えてしまうときもありますが、中野サンプラザでライブができるということは、本当にすごいことなんだなぁってありがたく思います」 すると真山さんが「頑張ってる途中だから、これからもっともっと大きい学芸会だってもっともっと頑張ってる途中なんで!よくわかんないけど、もっともっとずっとずっとみんなと突っ走っていきたいです!」と続く。最後にみんなで「きょうは来てくださってありがとうございましたー!」と叫ぶと、会場が大きな拍手で包まれた。しかし間髪入れずアンコールの合唱が始まる。


Wアンコールでみたびステージに登場したエビ中ちゃんたち。階段も後ろのスクリーンと一体になってメンバー大写しで「イッショウトモダチ」ほんっとに、ほんっとにみんないい笑顔。汗まみれだし、ひなたなんか泣いちゃってぶさいくになってるけど、本当に、美しすぎてまぶしい。ひとつ成長した少女たちが魅せる表情というのは、こんなにも神々しいのだなぁ。一秒としてこの世に留まることのない少女たちのしなやかな身体は、生きている美しさをめいいっぱいに詰めて光を放っている。その、今日という日の一瞬一瞬を、できるだけ忘れないでいようと、しっかりと目に焼き付ける。


拍手と大喝采であふれる会場。を、縫ってアンコールありがとうございましたー!となつ。「ほんとにほんとに楽しかったです!たくさんのひとの前で歌って踊って、ほんとにわたしは幸せだと思います」というと、りななんが「中野サンプラザエビ中だけでコンサートができたのはほんとにほんとに嬉しいです。青年館では緊張しすぎて泣いてしまったけど、今回は泣かないで頑張れたので、ちょっとは成長したかなと思います」という。大泣きしていたひなたは「最高の一日、しあわせな時間をありがとうございましたー!」といってまだ泣き出してしまう。思わずりななんに抱きつくひなた。頭をなつが撫でている。


そんななか「次、しゃべります」と裕乃ちゃん。「わたしは手を抜いてるつもりはないけど、やる気あるの?とか聞かれてしまうこともあるので、もしあいかがエビ中の入り口というならわたしが出口になっちゃったらどうしよう!と思ってました」といい、「でも今日は私たちの…学芸会?なんだ?に、こんなにたくさんのひとが来てくれて本当に感謝しています。これからはもっと大きな会場でできるようにがんばります」と言った。


美怜ちゃんはももクロのライブ@中野サンプラザでゲスト出演したとき、あまりにたくさんのお客さんを前にしてビックリして泣いてしまったというエピソードを話し、きょうも舞台袖でひなたと上を向いて涙をこらえてたこと、でもステージに出たらみんなの声援で涙が引っ込んじゃったこと、を泣きながら、言葉を止めて、後ろを向いて嗚咽しては抑え、まっすぐに客席を向いて、すこしずつ話した。美怜ちゃん、ももクロのライブでステージ上で泣いちゃったことを反省して、その日から「もう泣かないようにします」って、泣き虫なのに本当に、どのライブでも涙を封印してきたんだよね。初めてのo-eastワンマンも、ZEPPも、青年館も、ほんとに泣かないで頑張ってきたんだよね。今日、リハで足を挫いてしまって、全力のパフォーマンスができなったという悔しさもあるのかもしれないし、自分たちだけでサンプラザのステージに戻ってきたことに対する喜びかもしれない、美怜ちゃんのその涙が、この中野サンプラザのステージでふたたび流されたという自体に、こちらの涙腺も崩壊しかける。


そんななか、泣きじゃくるひなたをりななんとなっちゃんが慰めて、安本さんは、次が自分の話す順番にも関わらず、体をすべて美怜ちゃんに向けて、美怜ちゃんを目線で労りながら、止まっては動きだす美怜ちゃんの言葉にあいづちを打っている。ぁぃぁぃや瑞季ちゃんは一緒になってうるうるしてるし、真山さんは笑顔で美怜ちゃんの言葉を噛みしめて、うなづいている。そして「これからもこの9人と、皆さんといればどんな夢でも叶えられると思いました。これからも皆さんへの感謝の気持ちを忘れずにがんばっていきたいと思います!きょうはほんとにほんとにありがとうございましたー!」と美怜ちゃんが言い終わった途端に、美怜ちゃんに近づいて言葉をかけてあげる裕乃ちゃん。なんて、なんて、みんないい子たちなんだろうか!!!このステージの上には愛しかないよ!ほんと、彼女たちのはぐくんでいる関係性に心底感動してしまった。こうやって、力を合わせてみんなでここまで来たんだもんね。本当にこの日を迎えられてよかったなぁ、と思う。


そんな余韻に浸る間もなく「楽しい毎日を過ごせて楽しいです。これからも楽しく過ごしていきたいです。私立恵比寿中学と、安本彩花ならび、安本家をよろしくお願いします!」と笑いを誘う安本さん。「いまステージから笑顔がみえてるのが嬉しいです。でも悔しいところもたくさんありました。実力が出しきれなかったのは、まだ足りなかったものがあるんだと思います。だから、もっともっとがんばれるように、これからも地に足をつけて、初心を忘れずに成長していけたらなと思います」と最後まで自分に厳しいぁぃぁぃ。「きょうこの9人でステージに立てて嬉しいです。まだまだ頑張ってる途中ですが、エビ中はまだまだこれからだと思うので、これからもこのメンバーとエビ中ファミリーで突っ走っていけたらなあと思います。たくさんの笑顔としあわせをありがとうございました!」という瑞季ちゃん。最後に真山さんが「こうしてステージに立ってるのは、スタッフの皆さん、見守ってくれる両親、そして応援してくれるエビ中ファミリーの皆さんのおかげです。皆さんの笑顔がみれることが、真山のいちばんのしあわせです。皆さんの笑顔で、真山の笑顔が生まれます」といい、「次の学芸会は、もっと大きいステージで!もっともっと、成長したわたしたちで!」と宣言。「おおおおお〜〜!!」という声が上がる中、「だといいよね(笑)」とおちゃらけ、すぐに「いや、なりますよ!これからも私立恵比寿中学を信じてください!世界中の誰もが認めるぐらいのking of 学芸会に、絶対になります!」と言ってMCを締めた。


「それでは最後にもう一回…」と瑞季ちゃんが言いかけたところで、ざわざわし出す会場。スクリーンが動き出すと、わけのわからない言語で叫び出すエビ中ちゃんたちかわええ(笑)。口々に「また????!」「なにぃ?!???」「うわぁぁーーー?」とか言っている。スクリーンに校長が現れ「今年青年館やって…」と言いかけると「ちょっと待ったああああーー!!!!」「こわーーい!!」と叫びだすエビ中メンバー。次のコンサート会場がスクリーンに映る「おぉっ!?」と「おおおーー!!!」の声が上がる。「どこどこぉ?」というエビ中メンバーの前に、バーンとテロップが出る。「おおおおおおおーーーーー!」という声が上がり、お客さんの大拍手!!「えーうっそ!」「うそー!」「うそー!!」と言い合うエビ中メンバー。校長がカレー食ってる姿で映像が終わると、大泣きして放心してるエビ中ちゃんたち。ふいにぁぃぁぃが、「彩花が涙こらえてすごい顔になっちゃってるぅ」とつぶやき、会場の笑いを誘うと、おもむろに「やったぁーーーーーーーーーー!!!!!!」と叫ぶ真山さん。「すごい!!すごい!!!」とせきを切ったように喜び合うメンバー、「泣かない」と言っていたりななんも泣いてる。安本さんは「彩花、顔みせちゃダメ!!!」とぁぃぁぃに言われてる(笑)。2013年3月31日(日)よみうりランドでの野外ライブ。最後の最後にビッグサプライズを発表し、幸せに包まれるなか、エビ中らしい本当の大団円を迎えた、のでした。






あーーーーーほんっといいものを見た!わたしは席が超絶いい席で、隣もそこまでうるさくなかったから、ほんとに快適でした。前のひとが振りコピすごすぎたら楽しめなかったかもしれないしアレなんですが、ほんっと、この中野サンプラザのコンサートがみれてよかったなって思います。よみうりランドもぜーーーーーーったいに行きたいよ!チケット争奪戦がんばらねば!

神聖かまってちゃん「楽しいね」のこと

楽しいね

楽しいね


これ、神聖かまってちゃんの最高傑作なんじゃ………と、わなわなと震え上がる名盤。前作「夕暮れメモライザ」や「映画」の路線をさらに推し進めたの子さんのソングライターとしての無敵っぷりがバシバシ発揮されてて心の奥の秘密の小部屋が刺激されまくります。かつ、アレンジ面での唯一無比さ。の子さんご本人がナタリーのインタビュー

俺は自分の音楽は基本的にアンビエントロックだと思ってるので。


とおっしゃっていますが、シンセやエフェクトやらで音を弾幕のごとく立ち昇らせ狂気と美と聖をごちゃ混ぜて表現する独特のかまってちゃんサウンドは、サポートメンバーのまきおさんやバイオリンの柴さんを迎えて、さらに繊細に、かつ雄大に鳴り響き、立体的な音の暴雨に投げ込まれて、びちゃびちゃと当たる音の血を浴びてるかのよう。特に「コンクリートの向こう側」〜「ベルセウスの空」の流れはこの作品のなかでも神聖すぎて、このまま音に取り込まれて二度と出てこれないんじゃないかと思うほど。遠くて鳴るバイオリンの音が、ただただ自分をこの世につなぎとめる旋律か、のような気持ちになります。


なによりも、前作のボーナストラックである「26歳の夏休み」で



26才の夏休み
僕は欠片をただ拾い集めてる
なんだか僕は感受性ってやつが薄れている



と歌っていたの子さんが、まだ、こんなにも歌う必然であふれていることに感動を覚える。正直にいうと、アルバム制作期間に入る前のかまってちゃんのライブはほとんど「いい!」と思えるものがなく、「えー…こんなもんじゃねえだろかまってちゃん…」と思うことのほうが多かったし、メンバーもプライベート含めしんどそうな噂もありつつで、の子さん煮詰まってるのかなーとか思ってた。実際に朝日新聞デジタルのインタビューで、の子さんは「仲間を探したい」は、解散を考えていた時期に作った曲だと明かしていた。


の子は「『仲間を探したい』は、別れと出発がテーマ。バンドを解散して新しいことをやりたい、という夢を歌った」と明かす。

 え、解散?

「ライブでも何でも、ハードルを越えられないとファンに申し訳ない。俺が真面目になり過ぎちゃって、解散を考えていた時期につくった曲です」


でもさ、この曲にはこういうくだりがあるんですよ。



君とこうやって遊べるのは何時頃までかなあ
あの夏休みは近いと子供が歌ってるよ
君とこうやってブランコ2人きりの風景とかさ
あの夏休みが終わっても
続くのかなあ



「解散を考えている」と言いながら、いつまでこの時間が続くのだろうかと、の子さんは憂いているのだ。いつ終わるかわからないこの時間が、つまり神聖かまってちゃんというバンドが、いつまでも続けばいいなあと、の子さんは願っているのだ。だから、同じくナタリーのインタビューでこれを読んだときは、ほんと泣きそうなぐらいうれしかったよ。

でも本当は俺が一番このバンドを解散させたくないんですよ。どのメンバーよりも思ってますよ。神聖かまってちゃんは俺の人生なんで。なんていうか、もっともっと……俺はこのバンドを続けていきたい。このもっと先の未来も、ずっとずっと。


かつて、あれは忘れもしない原宿アストロホールのライブにて、例え1年後に神聖かまってちゃんのブームが去ってここにいるひとたち全員いなくなってもわたしはわたしだけはこのバンドを愛していこう!!!と勝手に心に決めたことがあったのですが(なぜだか不明。悪いライブじゃなかったけど特別いいライブでもなかった)、あれから2年経っても彼らはまだ、こんなにも素晴らしい作品をわれわれに届けてくれているというのは本当に幸せだなあ。


実はこれちばぎんが考えたんすよ。俺は最初のタイトルは「お薬ください」にしてた。


という「楽しいね」は、実際「楽しいね」というタイトルより「お薬ください」のほうがしっくりくるように思える。の子さんの、まったくコントロールの効かない躁鬱の激しい精神性がまんま曲にあらわれてるから。「友達なんていらない死ね」と言いながら「えっまじ!? そんなセリフが言えたとき お友達ってやつがいるのかな」と、発狂しそうなほどの「えっまーじ!!!?!???」を絶唱するの子さんからはお友達がいる風景への憧れしか感じないし(だからの子はライブ中お客さんに対して言葉遣いがむちゃくちゃ悪いんだなぁ、などと妄想)、「鳥みたくあるいてこっ」のあとアルバムのラスト「花ちゃんはリスかっ!」で「花ちゃんこいつらは全員敵だからーーーーーー!!!!!」と断末魔のごとく叫ぶのも、お客さん含め周りの人間に対する痛いほどのの子さんの本心だろうし、このアルバムを聴いてつくづく思うのは、こんなふうにパッパッと躁鬱に心を掬われたら本当にきついだろうなぁと。それでも、音楽に立ち向かって、その都度の自分を曲に封じ込めるから、こそ、やっぱり神聖かまってちゃんの音楽が存在する意義があるし、の子さんが歌う必然があるんだと思う。たとえば「ロックンロールは鳴り止まないっ」とか「夕方のピアノ」とか、そういう曲が好きでかまってちゃんを好きだったなら、すこし退屈かもしれないけど、ここには、27歳のの子だから作れる、歌える、歌が息をしてる。苦しんで、血が滲んだあとがみえるほどに、の子さんの人生そのものが刻まれている。

飛来したての鳥がいる
後戻りもできるけれど
朝が来たら僕のストーリーを
えんぴつで描いてこう
由来のない名前です
本当にこれが俺になれる名前なのか
僕のストーリーを
えんぴつで描いてこう


あっちに飛んでく鳥を追いかけてく
無理しないように僕は本当に気をつけようぜ
2ページ目があるよストーリーは
僕が行くか行かないのかってだけで
正解と未来と目の前の事実
観察してるだけのおいてけぼりじゃ
君ってやつがいるストーリーに僕はとても会えないぜ


「鳥みたいにあるいてこっ」


つまり、「の子」と自分で自分を名づけて、新しく生まれ直したのだ、彼は。いじめっこからも、ひきこもりからも、欝からも、さまざまな苦しみから解き放たれるために、自分で名前をつけて、自分でストーリーを描いて、人生をはじめ直したのだ。そしていま、2ページ目へ進もうとしている。ほかでもない「君」に出会うために。あー、だから、歌う必然がある歌をうたうひとの作品が、悪いわけがないのです。もちろん好き嫌いはあれど、神聖かまってちゃん「楽しいね」は傑作!だからお願いシングル&アルバム購入特典当たってーーー!!!!