HAPPLE「ドラマは続く」


HAPPLEがちょーーーーーーーーーー好きだーーーーーーーーーーーーー


アルバム「ドラマは続く」ほんとうに大好きで、何回聴いてもいつでも一生に一回きりの全曲35分間が愛おしいです。わたしなんか歌詞カードと全曲解説ブックをカバンに常備して擦り切れるほど読んでるぐらい大好きだよ!なぜもっともっと話題にならないのか不思議。だってHAPPLEの音楽って、オールディーズにモータウン、60sガールズグループやサイケロックのグッドメロディにユニコーンなんかも経由した日本的な音階を昇華させて、ソウルやR&Bの黒い跳ねたリズムと、XTC的なアイディアに満ちたサウンドプロダクト、ひねったコード感、そのうえ小沢健二のアティテュードで言葉世界へ向かっていく音楽性!みんな好きなやつ!しかも頭でっかちさを露とも感じさせず、ただただ楽しく愉快にそれをやってのけるバンド、それがHAPPLEなのだ。ボーダー着てへらへらしながらくそクールなリズムを叩き出し、熱い黒い鍵盤プレイで女を濡らし、ウィルソン兄弟ばりのコーラスワークを聴かせ、「歌とリズムとベースラインだけで成立させる」スーパーポップな魔法を鳴らすこどもたちそれがHAPPLEなのだ。



いやー、ほんとこのPVはぜんぶ素晴らしい。どこを切り取っても素晴らしい。 この、ひとりぼっちの土岐さんが、夢と現、または現と憂鬱?を行き来する、背後にどっぷりと底知れない寂しさが横たわってる感じ、たまらないです。ど、土岐さーーーーーん!!!(興奮) てか押田さんも斎藤さんもかわいい。付き合いたい。彼女になってほしい。もとい、アレンジが唸るほどかっこいいです。最初の♪ティーリッティーリッてギターが刻んだあとビィーーーーンって入ってくる鍵盤アレンジくそかっこいくないですか?タイミングといいこの艶っぽい音といい、これこの鍵盤で妊娠できると思うんですよねわたし。あとこの曲のしょっぱな「♪すいてる列車、こしかけて〜」て、これ普通なら「すいてるれえっしゃ」てのせると思うんですよ、これまでの日本語ロックのセオリーからいうと。でも土岐さんは「すいてるれしゃ」てのせて促音を殺しちゃうっつー、その大胆さにまず痺れます。この方のメロディへの歌詞の乗せ方、さりげないんだけどこれまでにない日本語のリズムに挑んでるように思います。あと語りに入る前のドラムプレイ、スッタッタッタッスタタタタタッタッて、この跳ねっかた!リズムすらおどり出しちゃった、かのようなはちきれんウキウキが内包されてます。かつ、このジャスト感、シティポップというかむちゃアーバンや!夜の音や!スティーリーダンや!あとAメロ→サビ→Bメロ→サビという構成のワクドキ感もやばい。「♪本の続きへ〜」から「♪そうか」につながる思いがけないメロディの爆発は、一瞬で世界を変えるポップスの魔法をまさに体験させられてしまう!のだ!!


で、もってそのあとの「♪星のような街の灯が〜」の土岐さんのアップがやべえんだよなぁ。泣ける。なんなんだろ、土岐さんから感じられる底なしの寂しさのようなものは。「僕は泣いているの/なぜか泣いてるの」と歌い、「涙の理由を考える/けどそれは複雑に絡んでほどけない糸のようだよ/本当の理由なんてわからないって/でも僕らはそれを知りながら、一緒に話したり、わらったりする/きっと本当の理由はその中に隠れている」と語る、土岐さんの、悟りのような諦観。いなかやろう(土岐さんが別でやっているバンド、活動休止中、メンバー同じ)の曲で「エスプレッソ」という名曲があって、彼はこう歌うんです。

あーいつも君の苦いコーヒーは全部飲めそうにないんだ
だから君の手は冷たいようで僕はすぐにまっしぐら
だから分かり合えなくてもいいかな



って。「分かり合えなくてもいいかな」って。これ泣いちゃうわ。「分かり合えない」という諦めがありながらも、それでも「いいかな」と歌う希望。彼の諦観は、寂しさと希望が後ろ合わせでできているのではなかろうか。わたしは土岐さんの、底知れない寂しさの奥にみえる光、その光がまぶしくてしょうがないのです。わからないものをわからないままありのまま受け入れて愛そうとする、その不器用なやさしさに泣けて泣けてしょうがないのです。これは単なるこじつけかもしれないけども「涙をみせて」という曲は、ともすれば、片想いの名曲「踊る理由」のアンサーなんじゃないか、と、思う。


「僕が泣いてる理由なんてわからないだろ」


とリフレインし、「向かう 移動 集う きっとそれは光る希望なのかもしれないよ」と紡ぐ「踊る理由」に対して、土岐さんは

「本当の理由なんてわからないって でも僕らはそれを知りながら、一緒に話したり、わらったりする きっと本当の理由はその中に隠れている」


と、紡ぐ。つまり、片想い…要するにMC.sirafuさんも、土岐さんも、理由なんてないしいらないし、ただ「向かう、移動、集う」ことに対して、「一緒に話したり、わらったりする」ことに対して、それを「希望」と名づけているのだ。そしてそれこそが、ポップミュージックの魔法であって、土岐さんや、わたしたちが「待ってる」ものではなかろうか。土岐さんは「ドラマは続く」の全曲解説ブックのなかで、こう言っている。

2011年は色々ありすぎて、曲が全然出来なかったし、作りたいとも思わなかったです。


そんな彼がceroと片想いをみた2011年4月2日の日記に「途中で帰ってしまった」と書いていること、その日の気持ちをこんなふうにしたためていること、そしていまこんなにも素晴らしい魔法のいっぱい詰まったアルバムをリリースしたということ、その続いている一連のドラマにただただ胸が震えてしまうのだ。


まぁ後半は妄想の域に達していたけど、とにかくHAPPLEの「ドラマは続く」全曲解説したいぐらいすばらしいし1曲目ラップが終わって2曲目♪トゥルストゥットゥットゥトゥ〜ル〜のスキャットとMC.sirafuさんのスティールパンをはじめリズムと楽器が絡むイントロ1秒で早くももーーー名曲でしかないのです!!!ほんとオススメ!!!!かつMINE'S RECORDSのHPで買えばもらえる「全曲解説ブック」が雑誌泣かせのおもしろさ!これあったらインタビューいらないわ。だけど土岐さんにはいつかインタビューしてみたいです〜。

8月3日(土)には片想いとのツーマンもあるよ〜。わたしは行きますよ〜。

HAPPLE『ドラマは続く』レコ発イベント第1弾 〜HAPPLEと片想いは続く〜
8/3(sat)@ 名古屋 K.Dハポン
op 18:00 st 19:00
adv 2000円 dr 2500円
出演:HAPPLE/片想い

※5/22 0:00より受付開始です。
メール: yoyaku@happlemusic.com
電話 : (052)251-0324←KDハポン(5/22より受付開始)