砂の城で朝食どうぞ

◆「スヌーザー」よんだ。磯部涼さんおもしろすぎる。だけど田中宗一郎さんの切れ味が悪いため購入に至らず。「レディーガガ」でなくても「東方神起」でもいいってゆうのがそもそも納得いかん。てかレディーガガいらん。欲してるのはそれでたべてるひとだけじゃ、と思うのは思考停止ってやつですか。


◆「読売新聞」のいしいしんじさん新連載がおもしろい。いしいさんの手紙(書評)に対してウィスット・ポンニミットさんが返事(絵)をかく。第1回のテーマは『アウシュヴィッツの音楽家/シモン・ラックス、ルネ・クーディ』。全文抜き出したいけど特筆すべきはこれ。


(略)音楽隊にはいるといきのびるチャンスがふえました。著者は、演奏がつづいているあいだだけ、ドイツ人はじぶんたちとおなじ「人間」にちかづく、演奏がおわったらもとの「怪物」にもどってしまうのだけれど、といっています。ドイツ人はそれだけ音楽をあいし、うつくしい音楽にはそれだけの力があると、心から訴えている。


 この本のすごいところはここからです。「序文」をフランス人作家のデュアメルが書いています。そこには、どんなうつくしい芸術にも、あくまはさきまわりしてはいりこむ、ということが書かれています。この本を読んでしまえば、最後のなぐさめと思っていたものも、のろわれた運命にまきこまれてしまうことがわかる。うつくしく、楽しい音楽も、ひとごろしや、ごうもんにんたちの、黒いこころにひびくのだと。
 この本には、大きな「さけめ」があります。翻訳者がよく序文をそのまま訳してくれたと強く驚きます。そして、タムくん、あらためて思うのですが、すべの画家、音楽家、小説家は、このさけめにおいて考え、ものを書き、演奏し、絵筆をうごかさなければいけないんじゃないでしょうか。


◆ずいぶん前にみた「ライブテープ」という映画のラストシーン、音楽はただの音楽として誰しもに平等に在るのだとおもいました。なんでもないところから生まれて、なんでもないところへかえる。そのかん興味のあるひとには強く響く。興味のないひとには雑音になる。それこそ音楽のもつ力で、そのふり幅こそうつくしい。ということを再認識させられた。


◆今朝の昆虫キッズUst、高橋翔さんの弾き語りがほんとうに美しかった。朝7時。泥酔して一晩中しゃべりつづけて枯れた小さな小さな声。アコースティック・ギター。あまりにも散らかった汚い部屋と、その奥で熟睡してる2人の男と、しつこくねばる20人程度の視聴者と、そのなかでただ鳴っている音楽。やわらかくやさしく響く歌は、よどんだこころも空気もぜんぶ浄化するようでした。


◆要するにこころのかがみという話か?(自分にたいして)



※アコースティック「わいわいワールド」!奥で寝ているのは岩淵くんと麓健一さん。