不確かな明日に下した決断を信じて

いつもよりずいぶんはやく起きて朝から仕事。先方へ到着したとたんエラいひとに超怒られる。30歳すぎてこんなにひとに怒られるのははじめてだなあとかおもいながらひたすら謝る。


仕事がおわってUFOクラブへ。坂本移動どうぶつ園のイベント。着いたらすでにクリトリック・リスがやってる最中で、60歳の事務のおじさんの曲。ゲラゲラわらいながら見てたのに途中から心を見透かされたように真理つかれて1mmも笑えない。人間てださくてほんとに汚い。小狡い。クリトリック・リスをすごく好きなのは全体的には笑わせながらそのさまを自分の至らなさも含めむきだしにしてるところ。おばけのおばちゃんの曲とか泣かずには聴けないね!


イルリメはさすがのエンターテイナーぶりで出演直前になっても「イルリメがいない〜」と困ってたまさやくん(バリカクの舎弟)の怒りをおさめる名ステージ。自分の見せ方、客との距離のとりかたも完璧だし新曲もすごーくよかった。「未だ、知り染めし岐路に」〜「トリミング」の流れになんとも言えない心のざわつきを覚えこのままでは心が張り裂けて死ぬとすら思ったものだが帰り彼に「坂本移動どうぶつ園好きなん?」と聞かれ、このひとの日常会話の重みのなさと作品の言葉の重厚感のギャップはすさまじすぎるなとおもいました。


坂本移動どうぶつ園は小学時代の男子の馬鹿さかげが暴発した衝動がそのまま大人になったようなすばらしいバンド。「新曲をやります。あ、皆さんにとってはどれも新曲だと思いますが僕らにとっては比較的新鮮な曲をやります」とか「生まれて一度も何かを伝えたいという衝動が起こったことはない」などの名MCが飛び出して大笑いしながら感心してたら隣にいた男子に「イルリメをみにきたんですか?」と声をかけられる。まぁOLスタイルだったしな。


私「いや、クリトリック・リスと坂本移動どうぶつ園をみにきました」
彼「えー!そうなんですか!坂本はライブみるの初めてですか?」
私「2回目です」
彼「へー!未完のバナナを聞いたんですか?」
私「はい」
彼「やっぱり峯田くんが帯かいてるから?」
私「いやー‥‥そうではないんですけど‥‥」
彼「ほかにはどういうの好きなんですか?」
私「あの‥‥昆虫キッズがすごい好きです」
彼「あー!!!!僕、フジロック(仮)っていうバンドやってるんですけど、対バンしたことありますー」


それみてるよわたし!!!!とか思って「あ、ここと無善寺ですよねー、いきましたー」とか言ったら「え、2回ともですか?」「はい」「2回ともですか?」「はい」「それで気づいてもらえなかったんだからそーとー存在感ないんですねー僕ー」と落ち込んでいらっしゃいました。いやあの、きっとベースのひとですよねきっとたぶん。フジロック(仮)はベースとドラムがすごくよいなあとおもってみてましたよ私。と、こころのなかでだけ唱える。思ったことをきちんと口に出すことができたらもう少しはともだちがいたかもしれないなと思う。だがこの会話のせいでアンコールがちゃんとみれなかったのでとても悔しい。


そのあと道ばたで銀杏BOYZの村井くんとばったり会う。「何やってるんですか?」と聞かれ、ふと「私はここでいったい何をやっているのだろうか」とわからなくなる。村井くんは「あ、これから帰るんですねー」とゆって去っていった。